

—まずは黒田さんが栽培している野菜を教えてください。
夏にピーマンを少し作っていますが、あとはレタスを栽培しています。
レタスオンリー農家といっても過言ではありません。
—ありがとうございます。では農業を始められたのはいつからですか?
「やってたら、ええことあるかな〜」と10年前から初めて、平成31年に法人化しました。
当時の作付面積は100aほどだったのですが、今は2500aまで増えています。
—すごい作付面積ですね、そこまで増やしていくのはかなりの苦労があったのでは?
「島内でレタスの生産量は、ずっと一番でありたい」というのが弊社のコンセプトでここまでやってきました。ですが、作付面積に設備が追いついていません。
苗床にハウスを建てるとなっても、工期や金額面などスムーズに進まないことが多いです。
また近年では、資材などの値上がりでコストもかなり高くなりました。
以前は、面積と人員を増やせば利益が上がっていたのですか、今はそう簡単にはいきません。
コストが高くなる中で、お客様が求める価格と弊社が売りたい価格を調整していくのが大変です。
—大変な状況ですね。次に黒田さんのレタス栽培へのこだわりを教えてください。
面積が大きくても隅々まで見回りをして、適宜肥料散布をしていくことにこだわっています。
まずは形の大きさや美しさにこだわらないと、お客様に「いいね、このレタス!」とは言ってもらえませんからね。
—大きさや品質にこだわっているということですね。
そうですね、レタスは11月上旬から5月の終わりまで出荷しています。
すべて肥料散布は少なめで、播種(はしゅ)してから定植までをなるべく早くするように心がけています。
その後に圃場で収穫、荷造りをして「早獲れ」の状態で出荷するのがほとんどですね。
倉庫に保管せず、採ったその日のうちに出荷することで、新鮮な品質のレタスを提供でき、棚持ちも良くなるんです。

—新鮮な品質のまま出荷していくのは、とても手間がかかるのでは?と感じます。
そこで重要になってくるのは「従業員の教育」です。
収穫するタイミングや選別を、時には厳しく指導しています。レタスを一度触るだけで異常がわかるようになるのが目標です。
そうすることで、新鮮なレタスのみを収穫して提供できてクレームにも繋がりません。
従業員一同レタスの品質に目を配り、農業に取り組んでいます。
—なるほど、ここまでお伺いすると大変なことが多い気がしますが、黒田さんなりの農業に対する楽しみ方やうれしさを感じるシーンはありますか?
僕はレタスの出荷量が要望に対して足りない時、つまり需要に追いつかない「逆境」にぶつかった時が楽しいです。
出荷量が足りない時や、何かに追い込まれている時などに「自分は生きているな!」と感じますね。
500ケース出荷予定が200ケースしか出荷出できない、「どないかせなあかん!」と心の底からワクワクしてきます、これが僕の楽しみです。
もちろん、綺麗な圃場から綺麗なレタスが育った時もうれしいですよ。でもそれは僕の力ではなく、従業員みんなの努力の賜物です。
—「逆境が楽しい」は強さの溢れる言葉ですね、次に今後の夢や目標を聞かせてください。
僕は5年後には、身を引いて従業員に後を引き継ぐつもりです。
今後は、「レタスの需要は少なくなるのでは?」と感じることが少しずつ多くなってきました。そこでどんな未来が訪れても、事業を継続していける土台を作り継承するのが今の目標です。取引先や時代のニーズにあった野菜作りを、進めていくことが大事だと感じています。もちろんレタス栽培だけにこだわりません。
—「レタス栽培にこだわらない」というフェーズに移行してきている中で、アグリステーションという施設が完成します。そこで挑戦したいことはありますか?
レタス栽培をしながら、ピーマンや万願寺とうがらし栽培にチャレンジしてきたいです。
栽培方法やコツなどを聞ける仲間もいるので、後々はこちらの作付面積も広げていきたいですね。
—ありがとうございます。アグリステーションを利用する農家の方へ、黒田さんからの経営者視点のアドバイスはとても有益になるのではと感じました。最後に黒田さんの野菜を購入してくれるお客様にメッセージをお願いします。
僕たちは新鮮な採れたのレタスを出荷しています。また極力、農協基準の半分以下の減農薬で育てることにチャレンジし、安心安全を心がけています。
冷蔵保管していただければ、1週間ほどの間は新鮮な状態で美味しく召し上がっていただけます。
ちなみに、レタスの芯に爪楊枝を3本ほど刺せば、さらに日持ちが良くなるので試してみてくださいね!